公明党元委員長が見た池田名誉会長
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公明党元委員長 矢野氏
手記 「創価学会名誉会長 池田大作と
公明党をけなすのも計算尽く

 こうした言葉の端々から、池田氏がいま何に関心を持っているかを探るのが、出席者にとって大切な幹部会の意義でもある。今は政治に特に関心を持っているのか、公明党のあり方をあまりよく思ってはおられないのか、といった風である。例えば、
 「選挙は大事だよな」
という発言があれば、次の選挙ではみんながんばれ、という意味である。当然、県長たちは地元に帰って、選挙運動にさらに力を入れるよう各会員にハッパをかけることになる。
 「公明党はバカだ。ダラシがない」
といったん党をこき下ろした後で、
 「でもまあしょうがない。同志なんだからな。応援してやろうよ、みんな」
という言い方をされたこともあった。この時は幹部会が終わった後、池田氏から呼ばれて、
 「ああ言っときゃね、毒消しになるんだよ」
と、こっそり解説してくれた。
 「あれでみんな、気持ちよく応援してやろうという気になるんだ」
 つまり池田氏があの席でああいう言い方をすれば、本音では党に不満を持っていた会員も、進んで応援する気持ちになる、ということだろう。このように相手をけなすのも計算尽く。聞き手に与える心理的効果を狙ってのことなのである。
 「会館の建設費用が足りず、現場が苦労している」
という風に言われれば、「もっと寄付を増やせ」という意味になる。かくして地元では浄財集めに励む、という光景が展開されるわけだ。
 特に、今は誰が気に入られていて、誰が嫌われているのかを言葉から読み取るのは、極めて重要である。誰と親しくしておくべきか、誰とは距離を置いていたほうが無難かを判断しなければならない。要は保身である。
 だから出席者は、池田氏の片言雙句から目を離すことができない。冗談に笑いながらもどこか、常にピリピリ張り詰めている。秋谷氏の指導中、隣の幹部に耳打ちしている会話を聞き取ろうと、聞こえもしないのについ耳を澄ましてしまうのも心理の本質はここにあるのだろう。なかなかに神経を使う世界なのである。また池田氏は、
 「俺は今、誰それのこういうところに対して怒っているんだ」
という風にハッキリ発言することがあまりないため、よりそうした傾向が強まってしまう。例えば最近では、やり玉に挙がる筆頭は私だったろう。ただ池田氏が私を批判するとき、「矢野が」とハッキリ名指しすることは少なかったのではないか。少ない、と言ったのは実際に池田氏が私を名指ししたテープが手許にあるからだが、それでも池田氏は慎重だ。たいていの場合は「関西のあいつが」程度にボカして言っていたはずである。
 池田氏がいかにボカした言い方をしても、出席者は「矢野のことだな」と即座に察する。そして、「では矢野に攻撃をしかければ、池田先生は喜んでくださる」と判断する。
 かくして私への攻撃がエスカレートするわけだ。実際に臨席したわけではないから断言はできないが、多分そういうことがあったのでは、と密かに思っている。いかにもありそうな話なのである。


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